村祭り。住んでいる集落で。古典でない、今ある暮らしと営みの中に起こる、地域芸能の芽生えのような、僕にとってはそんな日でした。まぁとても楽しかったということです。そしていろんなことが起きすぎたのでここに記録しておきます。
11月23日というのは、「勤労感謝の日」となっていますが、元々、新穀を神様にお供えする新嘗祭の日。美杉界隈の各地区ではだいたいこの頃に、「祭り」といって神様を預かる当家（とうや）の引き継ぎなどをしており、地元竹原の各集落においては12月1日に行います。これもコロナ渦で全戸が寄って会食などする機会は3年に渡って中止。そんな中で地元の理解を得ながら、個人企画ではありますが、美杉里山音楽舎、我が家での収穫祭を、毎年11月23日に行っています。一般にはChojiコンサートですが、他所から集まってくれる人たちもいつの間にか地域の馴染みになる、そんな機会。まずは、目の前のうちの田んぼで採れた新米を、かまどで炊いて、みなさんに召しあがってもらいます。「うまいうまい！」の声が、来年の農作業への活力にもなるものです。
主屋から移動して、倉庫一階「田楽ホール」へ。農業倉庫です。本来は野外へ出て田んぼ前のステージで行う収穫祭コンサートですが、初めての雨、今回はこちらでの開催。そして、今回は音楽も。田んぼを終えた地元のメンバーで（何曲かを）奏でる、という本当の村祭り企画。日本料理の朔、緑のキッチンカーHOA BINH TABLE、そしてうち。３軒の家族はそれぞれに、小原（地元集落）の田んぼを耕作する仲間。一年間の田んぼ仕事を終えて、野上がりし、そしてここに「ノアガリバンド」として初めての演奏をしたのでした。
・・・合わせて出店も。鹿の山椒煮（朔）に、収穫祭の具だくさんスープ（ホアビンテーブル）など、この土地の恵みを、ごはんのおかずに。ちなみに出店では、こちらも小原に縁ありの節知さんが、うちのお米やお茶を使って「田楽ドーナツ」「おわら茶クッキー」などを用意してくれました。・・・
さて収穫祭コンサート。笛と太鼓でこの一年を回想し、そして祭りのにぎわいへ。田んぼを通して、それぞれの思いを寄せて、心ひとつに音を鳴らすというのは、僕にとっても初めての体験でした。
そして休憩を挟んで第二部のステージでは、まるで村民文化祭のような、いろんなことが起こります。
ニワトリのケーちゃん。第一部で、鶏の話をしながら「ミーケー散歩」を披露し、もう卵を産まない高齢ニワトリですが、いつか舞台に上がる夢を見て、なんて話をしていたら、ついに、デビュー。確か「田んぼオブザワールド」を歌っていて、その最後のコーラスになったところで、トコトコと登場したのでした。歌いながらピアノ越しに気配を感じ、これには、本当にびっくり。動物たちも美杉里山音楽舎の大事なメンバーです。
お次は、
かなでくん。学校帰りにうちでピアノの練習してるかなでくんも田んぼ仲間。「Yo’s Song」をやってみようと、言ったら挑戦してくれたのですが、なんでしょう、前日に完成したばかりで、まだ何度も最後まで通して演奏していない曲を、僕の笛の音にしっかりと耳を傾けながら見事に演奏。僕も震えましたし、会場のみなさんは、まさに割れんばかりの拍手喝采でした。ブラボー！
そしてお次は、
鉄人辰男、ご本人登場！「チョージさんの歌から出てきました、野崎辰男です」と爆笑を誘うと、あとは鉄人オンステージ！辰男ワールド全開で、おしゃべりが続き、そのまま「鉄人辰男の唄」をデュエットしました。かなでくんから辰男さんへ。この、年齢差７０歳あまりのゲストリレーは、たまらなかったです。
神社からおさがりを頂いた酒（氏子総代を務めている故に）も、この日がふさわしく、開いていきました。
最後はノアガリバンドで「ノアガリヒマチ」収穫祭バージョン。そしてアンコールをいただいて「ちどりの里」。この曲にふさわしいメンバーで演奏し、今一度、実りの秋を歓び合いました。そうそう、写真には無いですが、横浜から今年稲刈りを手伝いに来てくれたアミちゃんもバイオリンで参加してくれましたね。
地元小原（おわら）のみなさんには、飯炊き、お茶出し、駐車場案内に、受付と、なにもかもを頼っての収穫祭。雨だったけど、かえって気持ちがギュッと寄って、ステージも客席もない時間の中で、この土地の恵みとご縁に、大いに感謝する一日でした。野上がりにはまた、みんなで集いましょう。
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●12/8（木）満月ライブ @美杉里山音楽舎
農家の納屋に、満月の夜だけオープンするライブバー。毎月「Chojiメール」でご案内しています。ホアビンテーブルさんとのコラボで、次回は１２月８日。１８時オープン、１９時スタート。「お問い合せ」より、メールアドレスをお知らせください。
●12/18（日）は横浜で、チョージズハウス。レコ発ライブ！
スケジュールをご覧ください。
